ネットの子育て界隈では「性教育」がよく話題になっていますね
私も昨年あたりから数冊「性教育」と題された本を読んでみました。
性教育も著者によっていろいろですね。
図書館で予約して性教育本の本棚を端から端までだいたい読んだので中身がごっちゃになってしまい、これがオススメ!ってのがパッと出てこないのですが
性教育って思ってたのと違う…
今言われている性教育は、
本にもよりますが
私たち世代(30代40代)が持つ「性教育」のイメージや内容とはだいぶ違うんですよね。
私と夫が最初に持っていた性教育イメージ、というのは
いわゆる
コンドーム、セックス、避妊
といった超具体的な話。
でも今の性教育でまず始めに伝えようとされていることは、そこから離れた話のほうが多くて、はじめは「え?これが性教育なの?」という感覚に陥りました。例えば
「自分の体と心を大切にする」
「自分にも他人にも侵害されてはならない部分がある」
ということ。
数冊読んで共通して言われていたことです。
幼児親で性教育に関心を持つ人の目的は、
まず大人による性犯罪の被害にあわないよう子供を守る為があると思います。私もそうです。
そのために性教育の本を開いたわけですが、
そこは
「性教育」以前の
人と人の「信頼関係」や「同意」が根底にある話だったんですよね。
嫌なときはノーと言っていい。相手が誰であろうと嫌なことを強要されたら逃げていい。
性被害にあわないためには、他者の不穏な意図に対してどれだけ早く違和感を抱いて察知できるか、も大事。
「同意」のことをイラスト入りで理解しやすく伝えている本(小学生〜向け)に出会いました。
『子供を守る言葉「同意」って何?』
↓この本
性教育は元をたどると、この本で繰り返し伝えられている
「同意」
「自他境界」
「自己決定権」
「信頼」
といった概念の認識との積み重ねだと思います。
一つ一つの概念のことをここに書くのは自信がなくて、
『子供を守る言葉「同意」って何?』の内容を少し抜粋引用するのもどこを切り取るかで受け取り方や印象が違うと思うので辞めてときます。
図書館にもあるかもしれないのでご興味がある方はぜひ検索して見られてください!
“大切な子どもたちに、自分を守り人を傷つけない「知恵と勇気」を与えたい!
面白くて役に立つ&大人にも新鮮でためになる、すべての子どもに贈る1冊。
(中略)楽しいイラストと文で著者が紹介するのは、「同意」と「バウンダリー(境界線)」という、耳に新しい言葉。それは、健やかな人間関係を育む基本の知識。
子どもたちが自分のこころとからだを大切にすることを知り、身近な危機に気づき、身を守れるようになることや、自分に向けて起こされたアクションに対して「いいよ」、「いや」、「ダメ」、「助けて!」などの意思を表すために必要なものです。大切なのは、おたがいに相手の「同意する/同意しない」を必ず確かめて、尊重すること。それって実は、大人にとっても難しいことかもしれません。でも、この本ではとてもシンプルにわかります。そう、子どもたちだけでなく、実はそれを学んで来なかった、多くの大人たちにも、とても役に立つ一冊なのです!”
うちの性教育は、今は
プライベートゾーンの話と
自分の体もお友達の体も大切にしなければならないこと、
もしも性被害に遭った場合に大人に伝えてほしい事
などをメインに時々伝えています。
年齢が上がるにつれてもっと具体的な話も出てくるので、
その時の下地として
上記の本に出てきた概念も少しずつ
日頃から伝えていけたらなと思います。
この本は今はまだ読んで聞かせているわけではなく
本棚に置いて子供がいつでも手に取れる状態にしているだけです。
夫も読んで、子供に伝えたい事を夫婦で共有しています。夫婦のやりとりも、子供へのお手本ですしね…
子供にはタイミングをみて数ページずつ伝えていくつもりです。性教育としてではなく、友達付き合いや大人との幸せな関わり方、自分を大切にする方法のヒントがたくさんあるからですが、結果的に性教育につながると思っています。(性教育の本とはされていませんが、性的被害にあわないためのこと、加害者にならないためのこと、万が一被害にあったらどうしたらいいのか、はこの「同意」の本にもしっかり書かれています)
ひとり読みは
小2か小3くらいになったらちょうどいいくらいの内容、ふりがなになっています。イラストがメインで、暗くならない陽気なタッチです。
子供向けの絵本
「性被害から子供を守る本」として読み聞かせたものはこちら。
これね~
決して「楽しい絵本」ではないので
くま吉(6)は1度しか読みたがらなかった。怖かったのかも。
意味を理解はしたと思いますがまだちょっと足りない気がする。(なのでやはり親が少しずつ伝えていくことだよなぁ)
<人権の絵本>
12月の頭に世界人権週間があり、その時はこの絵本を読んでみました。
「ひとはみな、自由」
人間にはどんな権利があるのか、
どんな自由があるのかを知ると、
自分も他人も大切にできる。
「人権」って聞くと私はなぜかいいイメージがなくて、その理由は社長秘書をしていた若かりし頃、社長から「人権や同和問題がどうこういう電話がかかってきたら気を付けるように。人権侵害だなんだと言って金持ちや権力者からお金を巻き上げようとする人たちだから」と言われてこと。(実際そんな電話がかかってくることはなかったんですが…)
今になって子育てのために人権関係の話に改めて触れ、自分のイメージは偏っていたな、と反省しています。でも、人権ってちょっと話に出しにくい話題よね? みなさんはどんなイメージを持っていますか?
人権の概念はまだよく理解できる年齢ではないので、絵本や実体験からジワジワと知ってくれるといいなと思います。
「たろうのともだち」は、けらいのように命令してくるのは友達としてどうなの(そこにある関係を問う)って話です。
これも絵本ナビから引用しちゃう
“ある日、こおろぎが庭をさんぽしていました。こおろぎは思います。「ひとりぼっちじゃつまんないなぁ。」
そこで歩いていくとひよこがいたので「こんにちは。」ところが機嫌の悪いひよこは小さなこおろぎを見ると「けらいになれ!」
二人で歩いていくと今度は猫がいて、ひよこが声をかけるとやっぱり機嫌が悪い・・・。
最後に出会ったたろうの「けらいなんて、ぼくいやだ!」の一言でみんなが気が付きます。「けらいなんていやだ、ともだちになろう。」
友だちの作り方って、意外とよくわからないまま大きくなってしまう人も多かったりして。この本が教えてくれるちょっとした事、「あいさつをしてみる」「いやなことははっきり言う」「小さな者、弱い者にいばらない」成る程これだけでもスムーズに友だちが作れそうな気がしてきます。こんなに簡単で楽しくなれる事は小さい頃から知っていた方がいいに決まってます!家来になる・・・と言う場面にちょっと悲しくなってしまう子も多いかもしれないけどだからこそ友だちになれた最後の場面の楽しさが伝わるんだと思います。”(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
というわけで
長くなりましたが今日は
性教育って実は深いところで人権尊重につながっている、という話でした。
ちなみに
東京都教育委員会の性教育の手引にも”「人間教育」の一環として、 「生命の尊重」、「人格の尊重」、「人権の尊重」などの根底を貫く人間尊重の精神に基づ いて行われます。”と書いてありました。知らなかった!
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